第51回定例セミナーまとめ

 

「弁護士が教えるトラブルにならないポイント」

 

 

服部正弘弁護士法律事務所
服部正弘弁護士

 

 

今回は、弁護士の服部氏に、賃貸不動産における賃貸借契約のトラブル事例とその対処法について、
契約締結時・契約継続時・契約終了時に局面を分けて、実務的な観点からお話して頂きました。
1.契約締結時にしておくべきこと
①賃料不払時に給与債権を差押えるため、通常、契約書に賃借人の勤務先を書いて頂きますが、
勤務先が変更になった場合においても当然差押えを可能とするため、契約書の特記事項欄に
勤務先変更の届出義務を明記して下さい。
②連帯保証人を入れる際には、その連帯保証人の意思確認が必須です。保証人欄の筆跡に注意し、
仲介業者への確認や連帯保証人へ直接確認をしましょう。
※判例上、連帯保証人の契約は賃貸借契約の更新後も継続するとされています。
ただし、保証期間の定めがない場合、保証契約経過後に相当な期間が経過している場合、
賃借人の視力が悪化した場合等は保証人の責任が終了してしまいます。
敷引特約も設定しておくべきです。敷引とは、敷金を返す時に差し引いて返さない部分のことです。
つまり、敷金から原状回復部分を差引いた後、更に敷引部分を差引きます。
敷引特約は無効の判決が相次いでいますが、昨今では、有効の判決も出ています。
その前提として、敷引額が不当に高くないこと、賃借期間が相当経過していること、十分説明していること、が必要です。
2.契約継続時
契約継続中に、賃料不払いがあった場合に、問題解決するためには、まず目標を決めて下さい。
退去して頂くのか、そのまま継続して居住して頂くのか、ということです。
継続して頂きたい場合は、早い段階で催促し、猶予期間を長めに設定します。
支払資金準備期間を長く取るためです。逆に、退去して頂きたい場合は、催促はギリギリに、猶予期間は短めに設定します。
不払いが3ヶ月間継続すれば、退去して頂くことが可能となります。判例上も、3ヶ月でOKとなっています。
つまり、3ヶ月間不払いになるよう誘導するのです。
また、解除をしたい場合には、催告状(督促状)にも、工夫が必要でしょう。
例えば、2ヶ月間の不払いがあった場合に、
“家賃を2ヶ月払って頂いておりません。速やかにお支払下さい。払って頂けなければ契約を解除します。”
と書いたとします。これでは、不十分です。なぜなら、「速やかに」では、いつまでに支払えば良いのかが不明確です。
また、「払って頂けなければ契約を解除します」では、契約解除の意思表示をもう一度賃借人にしなくてはなりません
つまり、理想的な催告状は、
“○月○日までにお支払い下さい。 さもなくば、○月○日を経過後、自動的に契約を解除したものとします。”
という内容のものでしょう。
3.契約終了時
ペット不可の契約にもかかわらず、内密にペットを飼っていた賃借人に対しては、
用法違反であるため、ペットによる汚損等の原状回復費用を請求できますが、
ペット可であった場合は、通常の経年劣化に含まれると解されるため請求できません
※もし、興味がある方は当組合までご連絡いただければセミナーのDVDを貸し出しいたしておりますので遠慮なくお申し出ください。

 


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